UBS Perspectives 日本版 2016年 vol.21

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有望視される「新しい中国(ニュー・チャイナ)」

チーフ・インベストメント・オフィス(CIO)の最新投資テーマをご紹介いたします。

二桁の経済成長率を誇り、世界経済の牽引役を担っていた中国経済の減速が伝えられています。成長の原動力となってきた、造船や機械、化学など製造業中心の「古い中国(オールド・チャイナ)」が競争力を失いつつある中、指導部は所得向上を背景に、個人消費やサービス業を経済成長の新たな推進力とする方針を示しています。中国はイノベーションに注力し、持続可能な成長モデルにシフトしつつあります。「新しい中国(ニュー・チャイナ)」に向けて経済改革が進められる中、同国の消費およびサービス関連セクターは今後数十年にわたって、経済の重要な原動力となるでしょう。

構造のシフトはサービス・消費セクターに有利に働く

中国経済がこれまでの高成長から「ニューノーマル(新常態)」といわれる6%台の低成長に移行しつつある中、中国経済の成長の原動力も変化を見せています。投資や製造業の果たす役割が低下する一方で、消費・サービスのセクターが存在感を増しています。しかし、投資と製造業のセクターにも構造変化は起きています。今後、投資家は以下の3点の動向を注視するべきでしょう。
一つ目は、消費およびサービスセクターの重要性が増していることです。ヘルスケアや保険、観光業、インターネット、スポーツ、エンターテインメントといったセクターは、多くのセクターでの成長の鈍化に反し、中核産業として台頭し、新たな投資機会を提供するでしょう。
二つ目は、「中国製」から「中国製イノベーション」への脱皮を目指す動きです。中国は世界中のアイデアを単に吸収し模倣するビジネスモデルから、イノベーションの最前 線を行く産業形態への移行を図っています。高性能製品など、付加価値の高い製品を製造する企業において研究開発(R&D)に力を注ぐリーダー企業は、世界的な中核企業となることを目標としており、今後数年のうちに大きな躍進を遂げる可能性があります。中国政府は直近の全国人民代表大会で2020年までにR&D費を国内総生産(GDP)の2.5%にすると発表しました。これは今後5年間で10%超の年平均成長率(CAGR)を意味しています

非化石燃料を増やし、より持続可能なエネルギー・ミックスへ

三点目は環境保護に対する意識の高まりです。中国政府はエネルギー政策において非化石燃料への転換を進め、原子力や再生可能エネルギーへの依存を高めています。事実、直近に発表した政策の中で2030年までに中国のエネルギー源の20%を原子力発電、水力発電、風力発電、太陽光発電などの非化石燃料にするという高い目標を掲げました。これに伴い、チーフ・インベストメント・オフィス(CIO)は環境保護や代替エネルギーといった分野に投資機会を見出しています。米国の証券取引所に上場している中国企業は200社以上あります。その多くが米国預託証券(ADR)を用いていますが、米MSCIの指数構成銘柄見直しに伴い、5月末までに中国企業のADRがMSCIの主要指数に追加採用されれば、資金流入により流動性が高まる可能性があります。この投資テーマ銘柄が、市場の主要な株式指数をアウトパフォームする材料となり得るでしょう

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